人より重い?犬の熱中症で怖い後遺症とは?
出典:PIXTA
そんな犬の熱中症を、すばやく察知し、症状を悪化させないためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
犬の熱中症とは
人間同様、暑い環境下、体温の著しい上昇により次のような症状が引き起こされるといわれています。1:血圧低下による失神やショック(倒れる、動けなくなる)
2:脱水による元気消失、食欲低下、嘔吐
3:脳神経障害によるふらつき、けいれん
4:高体温状態のため体全体が熱くなり(皮膚が赤くなることもある)、呼吸が早まる
…など。
どんな環境下で発症しやすい?
・ 気温や湿度が高い時・太り過ぎ(体温が放熱されにくい)、あるいは痩せ過ぎ
・毛量が多く長い犬種、色の濃い犬種、短頭種
・心疾患や腎疾患などの病気を患っている
熱中症で後遺症が残るって本当?
重度の熱中症状態が長時間続いてしまった場合には後遺症が残るケースも。そのため、もし熱中症になってしまったら、命を守るためにも、後遺症が残らないようにするためにも、早急に対応する必要があります。主な後遺症
熱中症により体のどの臓器がダメージを受けたかにもより、その症状もさまざまですが、代表的なものは下記になります。1:脳障害(神経障害)
長時間の高熱により脳が重度にダメージを受けてしまった最悪な場合には心臓が動かなくなることや呼吸が止まってしまい亡くなることもあります。その他の後遺症としては、歩行時にふらつくようになったり首が傾いた状態であったり、痙攣やてんかんなどの症状が出ることがあります。
2:呼吸障害
高体温状態が長く続くと呼吸数が多い状態も長く続くため、心臓や肺に大きな負担をかけ、呼吸数が過度に多くなると肺炎などを起こすことがあります。肺炎などの肺疾患は元の状態に戻るには2~3週間かかることもあり、高体温状態が改善しても気を付けていく必要があります。
3:腎障害
熱中症により全身の血圧が低下し、脱水することで臓器に栄養が回らなくなり、臓器に影響を与えることがあります。膀胱や腸などがダメになるほどの障害は熱中症ではほとんど起こりませんが、腎臓は再生することのない臓器であり、腎臓に影響が出ることがあります。
熱中症の予防法・6つ
1:暑い時間の散歩は避ける2:散歩中は日陰でこまめに水分休憩をとる
3:首や背中、腋などに熱中症対策グッズを付ける
4:家の中に日差しが直接入らないようにする
5:エアコンは冷房よりも除湿(ドライ)設定にする
6:エアコンが嫌いなのであれば水分をたくさんとる工夫をする
獣医師からのアドバイス
お散歩中やお散歩後、暑い部屋にいる状態で体温が高い、呼吸が早いなどの熱中症を疑う場合には、まず動物病院に連絡を入れ、すぐに連れていき適切な処置を受ける必要があります。このような事態を回避するためにも、上記の方法を意識するとともに、とにかく犬の体温を上げないような工夫をすることがとても大切なのです。