ウサギやハムスター、犬猫と一緒に飼っても大丈夫?飼育のポイント

更新日 : 2021年03月05日

出典:PIXTA

動物達はペットの枠を超え、家族の一員として伴侶動物などと呼ばれるようになりました。書店でも犬猫本のみならず、ウサギやフェレットなどさまざまな動物達の飼育方法手引き書・各種専門誌が発売されるようになりました。 ただ、ペットによっては相性があり、一緒に飼うことでトラブルが起きる可能性もあります。今回は、最近人気の小動物と犬猫を一緒に飼う際に気を付けたいポイントを説明します。 

目次

昨今のペット飼育事情

最近では犬猫に限らず、魚(金魚・熱帯魚などの観賞魚)・ウサギ・ハムスターなどのげっ歯類や小型哺乳類・鳥類、はたまた爬虫類や両生類まで、多くの種類の動物達が家族の一員としてお家に迎えられています。

ペットの種類|東京都 (tokyo.lg.jp) 20180320_wildlife02.pdf (wwf.or.jp)

 

コロナ禍でもある昨今は自宅で多くの時間を過ごす方が増え、それに伴い動物の飼育頭数もますます増えているとのデータもあります。

令和2年 全国犬猫飼育実態調査|全国犬猫飼育実態調査|一般社団法人ペットフード協会 (petfood.or.jp))

 

家庭における動物達の飼育頭数が増えるということは、犬猫に限らず様々な種類の動物達が家庭内で「同居」する可能性も増えるということです。 

犬猫と小動物、一緒に飼うことはできる?

すでに多くの動物種を一緒に飼育している方は多いかもしれません。もちろん各動物種の行動ニーズにあった飼育方法を選び、適切に飼育すれば動物達を一緒に飼うことはできます。

 

ただ、「一緒に飼う」と一言で言っても同じ飼育スペースで飼育するという意味ではありません。動物種ごとに飼育スペースを分けて飼育する、一緒に遊ばせる時は目を離さないなど基本的ルールを守って安全に楽しく飼育しましょう。

ウサギやハムスター、小鳥は?一緒に飼う場合の注意点

ここでは最近ペットとして人気の動物を挙げて、犬猫と一緒に飼う際の具体的なポイントを解説します。

 

■ウサギ

犬猫と飼育適温・湿度に大差がないため、同じ室内でも飼育できます。もちろんケージなどで飼育スペースは分けておきましょう。しかし、本来ウサギは被食者(食われる側)、犬猫は捕食者(食う側)です。一緒の空間にいるだけでもウサギには多大なストレスがかかります。できれば違う部屋で飼育してあげたほうがウサギに負担がかからないでしょう。

 

顔合わせをさせたい場合は、お互いの体格差・性格などを考慮して一緒に遊ばせても大丈夫か、飼い主が慎重に見極めましょう。ウサギは骨が軽量で、驚くと後ろ足で地面を蹴ります。それによって自分で骨折してしまうこともあるので、元気すぎる犬猫とは上手くいかないかもしれません。

 

またウサギは完全草食動物ですので床材や食餌に乾草を利用することがあります。この乾草にアレルギー反応を示す犬猫もおり、くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみなどの症状が出てしまうこともあるので注意しましょう。

 

■ハムスター

基本的にはウサギと同じですが、ウサギより小さくすばしっこい動きが犬猫の狩猟本能を刺激してしまうため、一緒に遊ばせることは危険です。また、ハムスターケージを台の上などに置いておくと猫が台から落としてしまうこともあります。ハムスターを飼育している部屋に猫が入らないように注意してあげてください。

 

飼い主によっては犬猫がいない隙にハムスターをケージから出して遊ばせる場合もあるかもしれません。ハムスターはかじることが大好きなので、犬猫用のおもちゃやトイレ砂をかじって誤飲してしまうこともあります。目を離さず、口にしそうなものは片付けてから遊ばせてあげてください。

 

■小鳥

小鳥は神経質な子が多く、犬猫の鳴き声や視線だけでも体調が悪くなる場合があります。部屋の上部空間に小鳥ケージをかけていても猫がジャンプしてひっくり返すこともあります。また小鳥は光に敏感で、夜は早く暗くしてあげないと繁殖障害などを引き起こす原因になります。静かな暗い環境づくりのためにも犬猫とは別部屋での飼育がいいでしょう。

 

■爬虫類

水槽飼育が多いため同部屋飼育も可能です。水槽の上部は犬猫が入らないように季節に合わせて網や板などを利用して蓋をしましょう(爬虫類達の空気は確保してください)。ただし爬虫類用の熱源(ライトなど)を犬猫がいたずらして火傷しないように注意しましょう。

 

■お迎えしたら部屋を分けて様子見を 

動物達の間には種が異なっても感染が広がる病気も多く存在します。新しい動物をお迎えする場合は、必ずしばらく別部屋で様子を見る期間を設ける、体調の悪い動物は他個体と触れ合わせないなども病気を広げないために大切なことです。

まとめ

たくさんの動物達に囲まれて生活することは、動物好きなら誰もが一度は夢に見ると思います。それが人間のエゴにならないよう、動物達各々が幸せに安全に生活できるスペースを確保しながら飼育してあげましょう。

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