猫好きの人も、そうじゃない人も『猫バンバン』で猫の命を守ろう
出典:PIXTA
そんな猫を救うために車に乗る前に、ボンネットを「バンバン」と叩いて、猫に合図をして事故を未然に防ごう、という「猫バンバンプロジェクト」が展開されています。
ところで、なぜ猫は車のエンジンルームなどに隠れてしまうのでしょうか?
今回はネコを飼わない人でも知っておきたいネコの習性について獣医師に話を聞きました。
どうしてエンジンルームに入り込むの?
猫は、夏は涼しく冬は暖かい快適な場所を見つける天才です。反対に寒い冬には、野外にいる猫は暖かい場所を求めて車のエンジンの中に入り込んでしまうことがあります。
快適に過ごせる場所を見つけることは上手でも、その場所が危険かどうかは猫自身分かっていないことが多いです。そのため、快適な場所を求めて、エンジンルームなどにもぐりこんでしまいます。
猫に「車を動かすよ」と合図をしよう
車には、暖かい所がたくさんあります。ボンネットの上なら気付きますが、気づかない所に猫が潜んでいることもあります。ぱっと見ただけでは、エンジンルームや車の下に猫がいるかわかりません。車に乗る前にボンネットをバンバン叩いて車を動かす前にサインを送ったり、車の下を覗きこんで猫がいないか確かめたりするといいです。
≪具体的な確認方法≫
・ボンネットを軽く叩く
・エンジンルームを開けてチェック
・耳をすませて、鳴き声がしないか確認
・タイヤの間や車の下に入り込んでいないかチェック
「バンバン」とボンネットを叩いた後は、鳴き声がしないか、遅れて出てこないかなど様子を見ることが理想です。しかし急いでるときは、ボンネットを「バンバン」と叩くだけでも、何もしないよりずっと事故を防げる率が上がります。
ほかにもある、寒いときに猫が喜ぶ場所って?
ボンネット裏以外にも、寒いときに猫が好んでくつろぐ場所と注意点をいくつか挙げます。・コンロの上
最近のガラストップコンロなど、平らなコンロの上では寝転んで暖をとることがあります。
飛び上がったときなど、何かの拍子にスイッチが入ると危険です。
・オーブン
蓋をきちんと閉めておかないと中に入り込んで寝てしまうことがあります。
気付かずに予熱のためスイッチを入れてしまいかねません。気をつけましょう。
・電気ポット
蓋の上に乗っていることがあります。
何かの拍子にロックが解除され、お湯がかかるかもしれません。
・ストーブ
毛で覆われていてあまり熱いという感覚がないのでしょうか。ストーブの側にいる猫を触ってみると、かなり熱くなっています。
それでもストーブの側から離れようとせず寝転んでいるので、毛が燃えないか心配です。
・こたつ
こたつの中がかなり熱くなっても、出てきません。
水を飲まないとこたつの中で脱水症状になってしまうので心配です。
ちょっと意外?こんなところも猫は好き
猫を飼わない人にはちょっと意外かも、という猫が好む場所をお伝えします。・お風呂場
特に浴槽にお湯が張ってある時のお風呂の蓋の上好みます。
誤って浴槽に落ちて火傷したり、溺れることもあります。
・トイレの便座
保温タイプの便座に座り込んでいることがあります。
便座のふたが開いていると便器に落ちてしまうので注意が必要です。
・ライト
あらゆるライトで暖を取ろうとします。
大型の爬虫類を飼っている家では、猫が一緒に水槽の中に入ってしまうこともあります。
・赤ちゃん
寝ている赤ちゃんの顔の上でもお構いなしに乗って暖をとろうとします。
赤ちゃんが窒息してしまうので、赤ちゃんにとっても危険です。ちなみに猫はベビーベッドに寝かせていても関係なく飛び乗ります。
・犬
飼い犬にくっついて暖をとることもあります。
犬の体格が大きい場合は、猫が犬の下敷きにならないように気を付けてください。(犬の体格が小さい場合は逆のケースもありえます。)
猫を飼っていない人も、猫を飼っているお宅に行くときなどに気をつけたいですね。
獣医師からのアドバイス
猫は快適な場所をうまく見つけます。でも危険性を理解せず思いもよらない所で寝転び、事故が起こったりします。電化製品はきちんと閉めたり、スイッチにロックをかけたり、コンセントを抜いたり、事前に防止できることはできる限りしておきましょう。そして、冬場に車に乗る前にはぜひ「猫バンバン」を実践してみてください。
猫が好きな方のそうでもない方も、このかんたんなアクションで猫たちの大切な命を守っていきましょう。