ペット用のお菓子やミルク。与えすぎには要注意!

更新日 : 2020年10月06日

出典:PIXTA

美味しいものを食べているときは幸せです。家族の一員であるペットにも、美味しいものを食べる幸せを共有したいと思うのは自然な感情でしょう。

 

今回は、ペット用おやつのあげ方・選び方、犬猫用ミルクの与え方などについて獣医師が紹介させていただきます。

 

目次

 

ペット用おやつやミルク、どんなときにあげればいい?

ペット用おやつのあげ方

犬や猫は、成長ステージに見合った総合栄養食に分類されるペットフードを食べていれば必要な栄養は全て採ることができます。ペット用のおやつは犬や猫の体にとって必須ではありませんが、総合栄養食よりも味わいがよく嗜好性が高いため、与えると多くのペットが喜びます。

 

食事の妨げにならない程度に、しつけのごほうびや人とペットのコミュニケーションの一つとして、少量(1日に必要なカロリーの20%を超えないように)のみ与えるようにしましょう。

 

ペット用ミルクのあげ方

ペット用のミルクは全ての栄養を母乳からとる哺乳期(生後4週間頃まで)に何らかの理由で母親と離れてしまい、母乳が飲めない犬や猫に与えます。

 

生後3週間頃から乳歯が生えてきてフードを食べる練習を始めますが、最初はうまく食べれなかったり消化能力も発達途上のため、ミルクと併用しながら与えます。

 

人工哺乳で育てる際は毎日体重をはかり、増え続けているかチェックすることも大切です。離乳期は体重が減りやすいためとりわけ注意が必要です。体重が減っている時は哺乳の回数を増やすなどの工夫をしてみましょう。

 

 

おやつやミルクをあげるときの注意点

 

おやつをあげるときの注意点

おやつは総合栄養食ではないので、与えすぎると栄養が偏ったり肥満になってしまう可能性があります。美味しいものが多く、与えすぎるとメインのフードを食べないままおやつが出てくるのを待ち続けてしまうこともあるかもしれません。

 

一方で、おやつは小さい粒状のものが多いので、トレーニングのご褒美としては使いやすいです。望ましい行動をした際、おやつをあげるとトレーニングもスムーズにいくかと思います。

 

ミルクをあげるときの注意点

ミルクには乳糖という糖分が含まれています。子犬・子猫の頃はこの乳糖を分解する酵素も豊富に含まれていますが、成犬成猫になるにつれて少なくなるため、成長してからもミルクを与え続けていると下痢など消化器のトラブルを起こすことがあります。

 

そのためミルクは基本的には子犬子猫の頃だけ与えることをおすすめします。

 

 

おやつやミルクの選び方

 

ミルクを使って子犬や子猫を育てる際はかならず犬用・猫用などその動物にあった代用ミルクを選びましょう。牛乳は犬や猫の母乳よりも多くの乳糖を含んでいるため、与えると下痢をしやすくなります。

 

また、犬や猫の母乳と牛乳は一部成分が異なります。子犬や子猫にとっては牛乳だけだと栄養不足になってしまう可能性があるので、哺乳期は犬猫専用ミルクをあげましょう。

 

おやつは、骨や角など硬い素材を使っていないものをおすすめします。これらは噛んでいるうちに歯がかけてしまう可能性があるためです。

 

ジャーキーなどを与える際は、丸呑みにして消化管の粘膜を傷つけたり、閉塞する可能性があります。

 

初めてのおやつを与える場合には、その子の食べ方に合わせて細かくちぎってから与えたり、ちぎらず与える際はうまく飲み込めるか見守るなど、気を付けるようにしましょう。

 

どのようなタイプのおやつを選ぶにしても、1日に必要なカロリー(与えているフード)の20%を超えないようにしてください。

 

 

まとめ

おやつを与えて犬や猫の喜ぶ顔はペットを飼う上でも大きな喜びの一つですよね。栄養が偏ったり与えすぎないように注意しながら与え、楽しいペットライフを送りましょう。

 

 

参考:環境省『飼い主のためのペットフードガイドライン』

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